【まずこれ】新城島(パナリ島)ってこんな島!新城島基本情報〜滞在記を交えてお伝えします〜

ISLAND

※この記事は2019年当時の内容です。

こんにちは!arikoです。八重山諸島の気になる離島、新城島(パナリ島)を散策しました!

人魚伝説進入禁止の御嶽決して見てはいけない秘祭定期船のない秘境・・・そんな気になるワードが並ぶ新城島(あらぐすくしま)別名「パナリ島」と呼ばれるこの島の基本情報をお伝えします!

この記事はこんな人におすすめ

・新城島(パナリ島)に行くことを検討している
・マニアックな島を知りたい
・小さな島の楽しみ方を知りたい
離島難易度 ★★★★★

新城島(パナリ島)の基本情報

まずは新城島の場所・行き方・規模感などの基本情報です。

船が到着する上地島の桟橋

新城島の場所とアクセス方法

新城島へは石垣島から船に乗って行く方法一つです。飛行機はありません。

新城島(パナリ島)までのルート
全国各地→石垣島→石垣島離島ターミナル ・・・船・・・ →新城島(パナリ島)
【船の所要時間】
約70分(帰りの西表島大原港経由の場合)
※定期船はありません

新城島は定期船がありません。そのため、新城島に行くには新城島へのツアーを催行しているツアー会社を利用することになります。個人で新城島に上陸することはできません。

ツアーで上陸する方法のみ

新城島には、ツアーを利用すれば上陸することはできます。「新城島 ツアー」などと検索すれば数件ヒットするのでいずれかを利用すると良いでしょう。石垣島や西表島などから半日もしくは1日ツアーが出ています。

石垣島を朝9:00〜9:30頃出発し、17:00過ぎに石垣島に帰ってくる日帰りツアーが一般的です。ツアーの内容は島内散策とシュノーケリングがセットで、幻の島と呼ばれるバラス島に上陸するものがついたものなどもあります。

新城島の概要・規模・人口

新城島、別名パナリ島は、上地島と下地島という二つの島々を総称した名称です。パナリとは「離れ」という意味。下地島には広大な牧場があり管理人の住人が1人いるのみで、わずかに行われている下地島へのツアーに参加すれば上陸することはできますが、なかなかハードルが高い島です。
そのため、この記事での「新城島(パナリ島)」は全て上地島のことです。下の写真の右側、細長い島が上地島です。

右の細長い島が上地島、左の丸い島が下地島。(出典:写真AC)

新城島の人口は10名です(2019年の住民基本台帳より)。しかし島民のほとんどが石垣島や西表島など周辺の離島に住居を構えています。戦前は400名程度の住人がおり、1975年までは小学校もありましたが、過疎化が進み現在では定住している人はほとんどいません。

しかし、無人島のように荒れているかといえばそうではなく、きれいに整備された集落が広がっています。この規模なので当然ですが、商店は一軒もありません自動販売機もありません。ちなみにポストはあり、このポストは住民が定期的に回収して郵送されるそうです。

集会所の屋上から見た集落の様子
上地島小中学校跡地
集落にポツンとあるポスト

新城島が秘島と呼ばれる理由

秘島・秘祭・人魚伝説・・・新城島の気になるワードを解説します。

新城島の人魚伝説

人魚とはジュゴンのことです。かつて八重山諸島周辺海域にはジュゴンが生息しており、新城島で盛んに捕獲されていました。そのジュゴンの肉や皮は琉球王朝に人頭税の一種として献上されていました。なんでも、不老不死や媚薬になると信じられていたそう。残された頭蓋骨は新城島内の御嶽に祀られています。
その御嶽は「人魚神社」「東(あーり)御嶽」と呼ばれていますが、島民以外の立ち入りはおろか、写真撮影も禁止されています。

新城島内にはそのような御嶽がいくつかあり、「神の道」のため通ってはならない道も存在しているので、軽率な気持ちで島内を歩くのは厳禁です。勝手に歩き回るのではなく必ずガイドの指示に従うようにしましょう。ちなみにジュゴンは日本では沖縄が北限とされていますが、現在では数が激減し絶滅の危険が極めて高い生物となっています。

※御嶽(うたき)とは、琉球地方において神様が祀られていると崇められる聖域のこと。

決して見るべからず。新城島の秘祭

新城島が謎多き島と呼ばれる最大の理由は「秘祭」です。それは’’日本民俗学最大のタブー’’といわれることもある祭りで、写真や音声はもちろん、その内容を外に漏らすことさえ禁じられていると言います。

そのため確たる情報はどこにもないのすが、ざっくりというと「アカマタ・クロマタ」という形相凄まじい身長2mほどの二体の神様が、毎年旧暦の6月(現在の7月中旬)に行われる豊年祭で豊作を祈願するというもの。

外部の人が見ることは固く禁じられていて、かつて強引に取材に潜り込んだ記者が島民から袋叩きにあったとか帰ってこられなかったという話がありますが、これは事実かどうか分かりません。都市伝説のようなものです。

この豊年祭の時に、前述の人魚神社で何かが行われているそうなのですが、祭りの時でさえ島民の一部しか入ることが許されず、門外不出の祭事となっています。一説によるとアカマタ・クロマタの出発点がこの人魚神社ではないかと言われているのです。

人魚神社の鳥居より先に足を踏み入れた者は原因不明の体調不良に襲われたり、不審死を遂げたりするなどという話もありますが、真偽不明です。いずれにせよ、新城島の島民にとって人魚神社および御嶽は聖域なので、勝手に足を踏み入れるべきではありません

ちなみに豊年祭の時には島民関係者300名が帰省するというのだから驚きです。これまで書いてきたことが事実だとしても、外に出る話がここまで少ないのは驚くべきこと。以上が新城島が秘島と呼ばれるざっくりとした理由でした。

【実体験】突然の「立ち入り禁止札」にビビる

私はツアーの方に許可をいただいて、集落内を一人で散策しました。集落内は他の離島と大きく変わらず石垣の小道、琉球家屋とのんびりとした雰囲気で、気持ちの良い散歩時間でした。誰が見ても「道」とわかる道を歩いていたのですが、左手に現れた小道の先を見て足が止まります。紐でぶら下げられた「立ち入り禁止」の札と、その先の鬱蒼とした道。明らかに今まで歩いてきた道とは違う異様な雰囲気です。

写真は撮っていませんが、想像するにこの先が御嶽につながっているのだろうなと思いました。同様の道をもう一ヶ所発見し、私は静かに休憩所に戻りました。

新城島の見どころ

そんな謎多き新城島(パナリ島)ですが、とても美しい海に囲まれた風光明媚な島です。一切観光地化はされていませんが、その中でも見ておくべきポイントをご紹介します!

クイヌパナ

クイヌパナに上る階段

“クイ”とは越す、”パナ”とは端を意味するそうで、「端の高台」を意味するクイヌパナ。島を守るためのかつての見晴台です。港の近くではありますが、一度集落の中に入り、森の中を抜けていきます。景勝地とはいえここに行く途中にはイールウガンという御嶽入り口には石碑もあるので、なんとなく厳かな雰囲気。

クイヌパナへ向かう道

でも見晴台から見える景色は最高です。岩を積み上げられてできた17段の階段を上と、港が一望できます。隣の下地島のほか、晴れた日には西表島までみ見渡すことができます。
ちなみにクイヌパナとは八重山の方言で「恋の花」という意味もあるそう。散々秘祭とか御嶽とか言っておきながら、いきなりロマンチックな感じになりましたね。

クイヌパナからの眺め。向こうに見える島は西表島
下りるのも慎重に

北の浜

北の浜は新城島のメインビーチです。港や集落から徒歩5分程度の場所にあります。このビーチへの道中もまた、森。

北の浜
見落としそうな北の浜への入り口

こちらはビーチへ続く森への入り口。教えてもらわないと見落としてしまいそうなさりげなさです。しばらく歩くと森を抜け、一気に開けたビーチに到着です。
北の浜は広々としたビーチです。半島のように大きく突き出た岩山に挟まれたビーチで、とてもプライベートビーチ感があります。ツアーで連れて行ってもらえるビーチも基本的にはここ。ここで干潮を避けてシュノーケリングをする時間が設けられると思います。

実はこのビーチに向かう途中にも鳥居がある御嶽がありました。ツアーに来ていた方の一人が写真を撮ろうとすると「撮らないでください」とガイドさんに強く止められていました。新城島の中ではカメラを向けるものを考えなければなりません。

恋路ヶ浜

恋路ヶ浜

恋路ヶ浜」というまたロマンチックな名前のビーチです。こちらは北の浜よりも少しコンパクトなビーチで、こちらの方がプライベートビーチ感があります。まだ人口が数百人いた昔はここが恋人たちのデートスポットだったというような話がありますが、どうなんでしょうか。ここはお昼寝したいような気持ち良さがあるビーチです。

下地島対岸のビーチ

上地島の端のビーチ。向こうに見えるのが下地島

こちらはビーチの名前がわからないのですが、400m対岸に下地島を望めるビーチです。ここに行くには集落からかなり細い藪道を15分程度歩かなければなりません。

上地島の端のビーチに向かう道

GoogleMapを航空写真モードにして見ればわかると思いますが、集落から南西方面に伸びた白く細い道があるのが確認できます。途中でヘリポートとヤギに会った以外は何もなく、ただひたすらに細い道です。景色の変わらない道を15分黙って歩くのは結構長い時間ですが、道を抜けると気持ちの良いビーチに抜けることができました。

行きたい場合は必ずガイドさんに確認し、許可が出た時だけ行くようにしてください。

許可された人しか立ち入れない新城島

誰でも新城島の集落内に立ち入ることができるわけではありません。ツアー会社によっては港周辺のビーチやスポットのみの案内となります。《パナリ島観光》は、島民出身の方が運営しているため、集落の中まで入ることができ、休憩所も利用できます。

休憩所、パナリ島観光
過去ツアー参加者のみ宿泊可能(2020年夏に泊まらせていただきました!)

実はここは宿泊することも可能。新城島で宿泊できる場所はここ一ヶ所のみです。しかし、《パナリ島観光》のツアーに参加したことがある人のみ受け付けているので、誰でも泊まれるわけではありません。

謎は多いけど沖縄らしい穏やかな島

秘祭や秘島、神の道など様々な伝説や言い伝え、噂が多い新城島(パナリ島)ではありますが、島自体は穏やかで居心地の良い島です。集落の道は昔ながらの石垣の道で、沖縄の離島らしさ満点。集落を散策している時には、窓全開で寝転びながらテレビを見るおじいさん(そのそばには猫)の姿も見え、とても平和な島だなと感じました。

伝説や言い伝えは本当のこともあるだろうし、島民にとって神聖な場所や大切な場所に立ち入らないようにするのは当然のことですが、怖すぎる噂は外部の人間が勝手に作り出したものもあるのだろうなということも感じました。

徹底的に外部から距離を置くことで島の歴史や平和を守っているのだと思います。そのためにはこのままも「謎多き新城島(パナリ島)」であり続けるのが良いのだろうと感じました。

沖縄らしさ満点の小道

島にお邪魔している気持ちを忘れずに、新城島を楽しみましょう!

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