11月最初の3連休には小笠原で一番盛大なお祭りが開催されます!
小笠原で一番大きなお祭りは、11月最初の3連休でおこなわれる「大神山神社例大祭」です。夏の盆踊りも盛大ですが、例大祭も島を挙げてのお祭りで、3日間にわたり開催されます。2023年に4年ぶりに一部縮小で開催され、今年2024年は完全復活!大盛況の3日間の様子をお届けします。
小笠原の秋祭りは3日間!初日は子ども相撲・女相撲(1日目)
毎年3日間で開催される小笠原の秋祭り「大神山神社例大祭」ですが、今年は11月1日(金)〜3日(日)の日どりで開催されました。
【2024年のプログラム】
11月1日(金)子ども相撲・女相撲
11月2日(土)奉納相撲大会
11月3日(日)例大祭式典・神輿巡行・演芸大会
初日は子ども相撲・女相撲!昨年4年ぶりに開催された例大祭でも子ども相撲と女相撲は開催されず、5年ぶり?6年ぶり?の開催となりました。
離島のお祭りだと侮るなかれ。父島には立派な土俵があります。一番の目玉は2日目の奉納相撲大会(大人の男性の相撲)なのですが、初日から満席で立ち見もたくさん。
小学生(有志)も一生懸命に頑張っていました!大きな土俵の上で、小さな体で懸命に戦う姿はとってもかわいかったです。個人戦のほか、3人勝ち抜き戦がありました。終わりにはみんなにごほうび(お菓子かな?)が配られていました。
子ども相撲に続き、中学生相撲、女性相撲です。私は女相撲というものを見たことがなかったのでとても楽しみにしていました。
ちなみに小笠原の奉納相撲大会、かなり本気の戦いです。「ちょっと出てみようかな」という軽い気持ちでエントリーするのは危険で、出場者のみなさんは数週間前から本気の練習を何度も重ねてきています。中には1年間この日のために練習してきている人も。取組によっては懸賞金がかかっているので、栄誉とお金と意地をかけて本気で戦っています。
お遊び的な空気はまったくなく、取り組む力士のみなさんの目もガチで笑えないです(笑)
今年の女性相撲は7名の出場。うち3名が知り合いで、他の方々も島で見たことある人ばかりでした。こういう身内感があるのは島・田舎ならではですよね。応援にも熱が入ります。
まさかこの人が!?っていうようなかわいらしい人や一見細身の女性、女子高生、絶対王者、元砲丸投げの選手!?(噂で聞きました)といった方々が出場されており、プチプロフィールを聞くだけでちょっと楽しめました。笑
相撲って体の大きさだけでは勝てないのですね。まさかまさかの展開で、今年の優勝はなんと女子高生でした!(準決勝・決勝は2日目におこなわれました)
優勝インタビューで言っていた「(懸賞金が)ちょっともらいすぎちゃったかもしれないですが」という言葉がかわいかったです。
みんなの注目が一挙に集まる中での取組、とても緊張するだろうな〜と思いますが、みなさん堂々と戦われていて少し感動しました。手に汗握る取組が見られて大興奮でした!
目玉!大人の男がガチでぶつかり合う奉納相撲大会(2日目)
やってきました、2日目は一番楽しみにしている人も多いのではないかという、大人の男性が戦う奉納相撲大会です!
観戦よりも先に制すべきは「場所取り合戦」
会場は初日よりもさらに大盛況の超満員!実はこの客席、相撲合戦よりも前に「場所取り合戦」があるのです。16:00開門なのに先頭は10:00から並ぶという、見る方も必死で本気です。私は15:20頃に場所取りの順番の列に並びましたが時すでに遅し、おそらく前には50〜60組はいたと思います。会場の中には2人分の場所すらもうなく、泣く泣く会場外の階段で見ることになりました(それでも座って観戦できたからマシです)。
奉納相撲大会は18:00開始。それまでは出店で買った食べ物をつまみにお酒を楽しみながら開始を待ちました。
人口2,000人ほどの父島。短時間観戦も含めるとおそらく半数くらいの人がこの場にいたのではないでしょうか。さらに、この期間はおがさわら丸が停泊中の「入港中」という期間だったため、観光客の姿も多く見られました。
個人戦の出場者は65名!
今年驚いたのは出場者の人数。65名の方がエントリーされていました。私は昨年初めて奉納相撲大会を見たのですが、その時の出場者は48名で、それでも多いなあと感じていたのに今年はさらに多かったです。
対戦表には所属名も記載されているのですが、「海自硫黄島」がもう字面だけで強くてそれだけで負けそうな気持ちでした(笑)
この男性相撲こそ、優勝候補というのが数名いるわけで、負けられない戦いがここにはあります。厳かな空気感の中でもメラメラと燃え上がる闘志が見えるようでした。
観客も、各候補のサポーターを中心に大盛り上がりです!!
小笠原の相撲大会のおもしろいなと思う部分は、事前に受け付けた懸賞金のほか、準決勝以上(だったかな)はその場でも懸賞金を受け付けており、最後の方は世話人が集金に回るところ。
「◯◯さんから▲万円いただきましたあ〜!!」
「おお〜!!」(拍手)
といったようなやり取りがマイクを通してなされてめちゃめちゃ盛り上がるので、この掛け合いを楽しみにしてる島民も一定数いるのではないかと思います。
私もわずかながら懸賞金を納めさせていただきました。
こういうのも、なんとなく顔見知りの人が多いという島ならではだと思うし、離島にしては都会の小笠原も、こういう部分にちょっとした「田舎感」を感じて私は嫌いじゃないです。笑
高校生が大人を見事な投げっぷりで破ったり、優勝候補が敗れたり、小柄な人が勝ち進んだりと、本当に心臓がバクバクするような展開がたくさんありました。
決勝戦、なんと父島が地元という島っ子同士の戦いです。「どちらが勝っても、この2名が島のこれからを担っていきます」という司会の言葉には、なんだかグッとくるものがありました。
個人戦の後は、団体戦。なんと、高校生チームが優勝!!今年は高校生が大活躍でした。頼もしい若者がいる小笠原は未来が明るいですね。
神輿巡礼と演芸大会(3日目)
活気あふれる神輿巡礼
大神山神社例大祭、最終日は神輿巡礼からスタートです!
私も上から下までバッチリ決めて参加しました!!
大神山神社から島の中心地〜住宅地を巡る神輿の巡行です。朝9:00の宮出しから、16:00頃の宮入りまで途中休憩を挟みながら7時間をかけて島内を回ります。
大人神輿のほか、子ども神輿もありました。子どもたちも一生懸命に担ぎ、声を出し、頑張っていました!
小笠原のお神輿は、「ぼにん囃子」というお囃子に合わせて巡行します。お囃子もずっと生演奏なので、担ぐ人だけではなくお囃子の人たちもとても大変だったのではないでしょうか。
お神輿の巡行も、相撲と同じくこの日に命をかけている人たちがいます。
お神輿は、ご利益を願って各お店や事業所の前で神輿の向きを変えて止まり、数分間にわたって神輿を押したり引いたりを繰り返す動きをするのですが、その際の囃し立てる世話人の鬼気迫る表情を見たらきっと驚くと思いますよ。
今年は巡行中、一時的に豪雨に見舞われたり、宮入りの際もずっと雨が降っていたりと結構過酷な瞬間がありました。ですが、無事に事故なく終えられることができてよかったと思うと同時に、初めて担ぎ手として参加できて、「小笠原一の祭り」と言われるゆえんを実感することができて、とてもいい経験になりました。
締めは演芸大会!個性あふれる20組
最後は演芸大会!大神山境内に設けられたステージで、歌やダンスなどのパフォーマンスが今年は20組披露されました。
20年以上常連のベテランや、去年の入賞チーム、毎年恒例の公務員チームなどのほか、今年はソロでの歌唱参加の人が多かったなと思いました。
相撲大会、神輿巡礼で全部出し切って力尽きた人たちが、やっと落ち着いて一息つく時間にもなっているようで、至る所に顔に生気がない人たちがいて、個人的にはそちらもおもしろかったです(笑)
お祭りに本気な小笠原
残念あがらコロナ禍で縮小したり廃止されたものもありますが、小笠原はもともとイベントやお祭りが多い離島です!
秋は大神山神社例大祭ですが、夏は「小笠原貞頼神社例大祭」があって、こちらは神輿ごと海にダイブします。迫力満点ですよ!
祭りやイベントに合わせて小笠原に来るのも一つの楽しみ方としておすすめです。